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ドラフト会議の司会で知られたパンチョ伊東さん。どんな人だったの?

プロ野球はセ・パ両リーグのペナントレースが全日程終了しましたね。

残すはクライマックス&日本シリーズと日本一をかけた戦いが残されてますが、その最中に新人選手を獲得するドラフト会議が行われます。


ドラフト会議と言えばある程度年齢を重ねた人なら、長く司会者として携わったパンチョ伊東さんが記憶に残ってる人も多いのではないでしょうか。

その会場に響き渡る独特の歯切れの良い声で会議を取り仕切り、将来性豊かな若者たちの「運命の一日」のドラマを演出し、私たち視聴者にもドラフト会議が深く印象に残るものとなりました。

そんなパンチョ伊東さんは一体どんな人だったのか、改めて見ていきたいと思います。

パンチョ伊東さんの基本情報

  • 1934(昭和9)年、東京都豊島区生まれ。千葉県市川市出身。
  • 千葉大学文理学部中退。
  • 1959(昭和34)年よりパ・リーグに所属。その後、1976年から1991年までパ・リーグの広報部長を務めた。
  • ドラフト会議では、1965(昭和40)年の第一回から1991年まで司会を担当。
  • 1992(平成4)年からはジャーナリストとしてアメリカ大リーグ(MLB)への取材を精力的に行う。また『プロ野球ニュース』などフジテレビ系の番組にレギュラー出演。
  • 2002(平成14)年7月4日、心不全により68歳で逝去。

    (Wikipediaより)

「野茂、英雄!」の連続コール

個人的にパンチョさんの司会で記憶に残ってるのは、やっぱり1989年、野茂英雄投手が史上最多、8球団から指名を受けた時のアナウンスでしょうか。

テレビのスポーツニュース等でも、球団の指名を発表するたびに「野茂、英雄!」とコールするパンチョさんの声が、編集された映像によって繰り返し流れ、強いインパクトを受けました。

 

また、冷静でありながら豪胆さやユーモアにも富んだ人柄であったようです。

たとえば選手の名前を説明する際にも、『蒲谷和茂』選手には「蒲はうなぎの蒲焼きの蒲」と発言したり、『益山性旭』選手に対しては「性はセックスの性!」と高らかに言い放ち、会場内は爆笑の渦に巻き込まれたとか・・。

この他長年司会を務めたドラフト会議では、様々なエピソードに事欠かないようですね。

パンチョさんならではの大リーグ情報

また、ドラフトの司会を降りた後は、メジャーリーグ通として『プロ野球ニュース』のメジャーリーグコーナー等にも出演しました。

同じ声でもドラフト会議の時とは違った軽妙な語り口と、海外でも『Pancho』として親しまれ、選手と近い距離があればこそ知りえた様々な情報を私たち視聴者に届けてくれました。

 

思い返してもパンチョさんの言う事ならもっと聞きたい、もしくは聞いてて飽きない楽しさ、安心感があったように記憶してます。

失礼を承知で言わせていただくと、小柄でちょっと小太り、ガマガエルを彷彿とさせるようなユーモラスな顔、また語り口から感じる大らかさや気さくな態度・・等々による親しみやすさはこの人ならではの独特なものがありました。

そんな飾り気のなさ、屈託のなさが、大らかなアメリカのベースボールを紹介する上でもピッタリだったかも知れませんね。

最後のメッセージ

晩年は内臓に多発性のがんが見つかり、入退院を繰り返したそうです。そして2002年7月4日、心不全により68歳で帰らぬ人となりました。

翌日付の『サンケイスポーツ』に掲載されたという、最後のメッセージをそのまま紹介したいと思います。

「 まさか、長い野球人生の間に、こんな事でピリオドを迎えるとは思っていなかった。しかし振り返ってみれば、ディマジオ最後のホームラン、ジャッキー・ロビンソンのホームラン…これら日本野球の歴史に残る、ものすごい当たりを見られたことはこれほど人生にとってラッキーな事があるだろうか。
これから先、日米野球でたくさんのチームが来日するだろう。そのたびに新しい歴史が出来ていく。そういうことを。それを大いに期待したいものだ。
それを本塁ベースの向こうからじっくり眺めていたい。ではみなさん、さようなら。パンチョ伊東 」

     (Wikipediaより)

まとめ

亡くなってからもう17年も経ったのですね。

今思い返しても、プロ野球ニュースで生き生きと語り続けていたパンチョさんの声が、ついこの間の出来事のように記憶から甦りますが。

パンチョさんと比べては申し訳ないかも知れないけど、現在のドラフト会議での選手名を読み上げる声は、やっぱり迫力不足と言うか軽いというか、物足りなく感じてしまいますね。

人間誰しも老いていきいずれ死に、時代も人もどんどん移りゆくことは避けられないものですが、それだけパンチョさんは多くの人に愛され、存在感のある方でした。

 

今年もまた、将来性豊かな金の卵たちの「運命の一日」が間もなくやってきます。

パンチョ伊東さんの事も頭の片隅にとどめながら、今年も彼らの進路をハラハラドキドキ、手に汗を握り感情移入しつつ見守りたいと思います。

いなか野

ファミコン世代の雑食引きこもり系男子。好きなことはゲーム・音楽・釣り・読書・野球観戦など。西日本の片田舎でネコ3匹と暮らす。